「開業の動機」って、何ですか?

「独立開業したい!」という考えに至るには、必ず「動機」があるはずです。
この「開業の動機」について、掘り下げて考えてみたことはありますか?
独立開業だけではなく、新規事業展開、事業拡大、新商品販売など、何か今までと異なる状況を作り出そうとする際に絶対的に必要な要素が「動機」です。
日本政策金融公庫や銀行の融資の際、一番最初に問いかけられる部分は、この「動機」。

よくある答えとしては、「長年の夢だったから…」「いつかは自分の店を持ちたいと思っていたから…」とか。
確かに、間違えてはいませんが、融資機関として「お金を貸す相手」の「夢や理想」を聞きたくて質問するのでしょうか?

動機とは、すなわち「何故開業をする必要があるのか?」ということです。もっと言えば、「何故開業をせざるを得ないのか」。
多くの方が、ある種のマインドブロックのようなものが邪魔していて、この本質的な「何故?」の問いかけに要領を得た答えができない。
恐らく誰もが確実に持っている答えであるはずの言葉のはずなのに、即座に発言できない。これこそ、融資機関側が、いち早く聞きたい言葉…。

それはズバリ…「今までよりも格段に報酬をUPしたいから!」
さっさと、これを聞きたいんです!だって、そう思っていなければ、「絶対にこの人だったらやってくれる、貸したお金を必ず返してくれるはず!」という確信に繋がらないのだから。
開業はもちろん、新規事業展開であっても答えは一つ、「今までより売上、すなわち自分の報酬を上げたいから!」
これが動機の一つ目ですね。これ、いってみれば私利私欲の部分、エゴですよね。でも、これが最上級の答えなんです。

では何故、報酬を上げたいのか?それは「現状では報酬が足りないから!」ですよね?
「現状では満足できないから…」あるいは、「現状の報酬では割にあわないから…」
これが動機の二つ目なんです。

このどちらも現状の不満ですね。
1.報酬UPしたい…自己満足のエゴとも思えるところ
2.現状の不満を解消したい…これも自己中心的な考え、やっぱりエゴかな
でも、この2つを明らかにすることが重要です。
この、エゴを垂れ流すのが「動機を明確にする」ということなんです。

多くの人は、このあたりのポイントを大声で発言することにマインドブロックがかかっていることが多いでしょう。
「お金を多く貰いたい、なんて、印象が悪い…」
「なんだか嫌な奴だと思われるのでは…」
「不満ばかり言っていたらダメな人間だと思われてしまう。」
「この人は自分勝手なことばかり言っている。」
なんて考えがよぎりますよね。しかし、開業時の動機を考える上では、自分の不満をさらけ出すべきなんです!
特に日本人はこうした、本当に欲しいものを奥にしまっている振る舞いが美徳のように捉えられる傾向が有るようですが、「夢」だとか「いつかは…」というような曖昧なビジョンを動機として発言するのは、ビジネスを志すものにとって逆効果。

現状に不満があるからこそ、自分で開業すればそんな不満が解消される。
報酬も得られるし、自分の時間も今より作れる。

そんな、動機を語った上で、どうやって自分の不満を解消するかを考える。
どうせ報酬を上げるからには、自分がかねてからやりたかったことで報酬を上げる。
自分がやりたかった理想のサービスを提供することで、そのサービスを求めている人のお役に立つ。

これが「目的」というもの!

目的だって一見きれいごとのように見えるかもしれないけど、限りなくエゴに近くって良いんです!
アメリカの有名な経営コンサルティングの先生も言っています。『なにごとも、すべての始まりは【何故?】』
アメリカでは【Big Why】といわれる程に重要なのがこの「動機」というものです。

是非とも開業を目指す方は、堂々とこの本質的な動機を発言できるように心を整理しておきましょう。

開業における、動機と目的の考え方は、
「動機」は今の不具合を語れ!
「目的」は自分が本当にやりたかったお客様へのお役立ちを語れ!

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