グラフィックデザインって何?

実は店舗開業には、グラフィックデザインは非常に不可欠な要素となる。出店にはお店さえ完成すれば良いと捉えがちですが、実際にお店の完成を周囲に知らせるための告知アイテムが必要になります。これは最も多く紙媒体として使われる広告チラシです。これは最初に客が来店をするかどうかを検討するきっかけとなるものなので、開業者が想像している以上に重要です。

また、同じく開業に必要不可欠となるのが「店名」です。その店名もそれなりにデザインされたものであるほうが客への訴求力は格段に高くなります。この店名のロゴ、看板のデザインはまさにグラフィックデザインの管轄となります。

また、お店を運営する上で今後、仕入業社をはじめ各方面の取引業者との商談が必要となるはずです。その際に必要となるのが名刺。そして、既存客へ来店を促す為のDM。店舗内で客が他の人に店の存在を拡散する為に使われるショップカード。業種によってはポイントカード、紹介カード、クーポンなど・・・これらもすべてグラフィックデザインの要素です。

これだけの量のアイテムを色々吟味するには、非常に時間を要するということをまず理解しましょう。

開業者さんはグラフィックデザインを後回しにしがち

開業者さんは開業出店の際、どうしても店舗設計〜工事にばかり時間と神経を奪われてしまいます。しかも開業計画が始まれば、開業者は工事開始直前まで旧職場で働きながら、週に1日か2日程度の休日すべてを店舗デザイン設計の打合せに費やしていくことになります。それだけでも想像以上に忙しいのです。

それゆえに、開業者さんのよくある失敗事例として、「全然時間がなかったから・・・」と、店舗工事完了からオープンまでの僅か数日期間で、それぞれの販促物を急場凌ぎのごとく適当に制作しているです。最悪の場合、告知チラシ他紙媒体が間に合わず無い状態のままオープンしたというケースも少なくありません。

やがて開業後、数ヶ月以上経過し来店した客に「こんなところに店あったのですね?」と言われてショックを受けたという開業者の声も聞くほどです。

グラフィックデザインは、店舗設計と同時進行ですすめるべき

こうした不具合を招かないためにも、出店計画では設計や工事の打合せの他に、必ず販促紙媒体(名刺、ショップカード、ポイントカード、DM、オープン告知チラシなど)を作成するためのグラフィックデザイン打合せを店舗設計と同時進行でスケジュールするべきです。

オープンまでの期間は、旧職場を退職する時期をも絶妙に狙って行動する必要がありますが、退職前の期間中で週1〜2回の休日をすべて店舗設計の打合せに使ってしまうと確実にグラフィックデザインの打合せ時間を得られません。

これがオープン直前の「やっつけ仕事」という悪い状況を呼ぶのです。

コンセプト、採算面も崩れ肝心の計画の土台が崩れる

これは事前に掲げた店舗運営の主旨(コンセプト)と運営の採算性も含め、計画の土台を根底から崩すことになります。ましてオープン直前という時期は開業者にとって大変緊張感を伴い、誰もがイライラ、混乱の連続で平常心を欠いた精神状態に陥っているものです。

そんな段階での販促物作成では、募る不安から商品単価を安くしてしまったり、店の雰囲気とまるでイメージが異なる販促媒体を作ったり、とにかく良くない事例が非常に目立ちます。

旧職場勤務中の限られた休日を使って進めるという状況を十分に理解した上で、できるだけ店舗と販促物両方の打合せを同時に進められるようにスケジュール調整を行い、限られた時間で効率よく攻略していく算段が必要です。

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