エアコンがついた物件なら、ラッキーな物件なのか?

物件探しをしていて好条件だと思えた物件には、当然エアコンが備わっている物件もあれば、無い物件もありますよね。
開業者さんが物件選びをする上で、とかく物件にエアコンが付いていると・・・ラッキー!と思っちゃいますよね?

しかし、その付いているエアコンが付帯物なのか、残置物なのかは気にしているでしょうか?
建物側の設備として用意されているものなのか?・・・建物の付帯物(大家さんの持ち物)
それとも前の入居者が置いていったものなのか?・・・旧店の残置物(前入居者の持ち物)
これらの状況によって入居予定の自分が工事費として使う予算を大きく揺るがす危険性を持っています。

そもそも付帯物であれば、開業後に故障したとしても大家さんの費用持ちで修理、修繕をしてくれることになります。
ですが、もしも残置物であった場合、修理、修繕はすべて自分持ちということになります。
開業時にエアコンの為の予算を節約することに繋がったと思えたのも束の間、開業後半年以内に、エアコンの不良が出てしまったことを想像してみてください。
開業直後というのは、ほとんどの費用を使い果たし、運営を順調なラインに乗せるまでの初期の辛い日々の渦中にあるはず。
そんな最中で、再び出費の必要に迫られることになる。
しかもエアコンともなれば数万円で済む話ではありません。

また、エアコンのチェックポイントとして重要なのは、エアコンのパワー(馬力)。
エアコンをみて、どれくらいのパワーがあるかは見た目だけでは判断できません。
エアコンのパワーがどれくらいあるかって、不動産業者も大家さんもよく理解していないこと多いんです。
家電量販店で家庭用エアコンを購入したことありますよね?
壁掛けタイプで、どれも似たような形していて、非常に種類も豊富。
それらエアコンを見て、皆様は6畳用タイプなのか、はたまた12畳タイプなのか見分けつきますか?
業務用エアコンも事情はまるっきり同じ。
一見、立派に見える天井に付いているエアコン。
どうみても業務用だ!と思えたとしても、実際には普通の事務所仕様程度の低パワーなモノだったりすることもあるんです。
お客様も含め一度に複数の人数がいる空間で、しかも熱源となる機器を使う仕事では、エアコンがあるにもかかわらず、全然効かない!ということになりかねません。


物件を決める時、エアコンについて絶対に確認しておくべきポイントは3つ!
1.付帯物か残置物かの確認
2.現存するエアコンのパワー(馬力)の確認
3.室外機置場の確認

一つ目:もし残置物だったとしたら?
実は壊れたまま放置されているだけだった。
これを営業が始まってから気付いたのなら最悪。
仮に工事中に気付いたといても…結局は大幅な工事予算増額となります。
おまけに壊れたエアコンの撤去と産業廃棄物処理費もプラスで出費!

二つ目:もしパワー不足であったなら?
恐らくもう1台、パワーが足りない分を追加しなければなりません。これまた工事費用が増額!

三つ目:もし室外機置場が3~4階建ての屋上に置くように決められていたとしたら?
エアコン工事というのはエアコン機器の代金だけではありません。
エアコンを稼働させる為の様々な幹線工事、配管工事が工事費の高い安いを決定づけます。
高層階に設置する、建物と建物の間が狭いような物件だったら、
室外機を設置するのに外壁に大掛かりな足場を組まなければならないとか、
高所作業車を使って吊り上げなければならないとか、
高額のエアコン工事費用がかかります。
エアコン工事とは、様々な物件の状況によって費用のかかり方が変わるのです。
場合によっては、50万円だったり、200万円だったりするわけです。

選んだ物件(建物)の区画内に備わっている設備状況が足りていない場合、それは店舗工事費をいたずらに高額に引き上げてしまいます。
電気容量、ガス、給排水、水道、トイレの有無、エアコンの有無などなど。
選んだ物件に、これらの設備が“業務を行う上で必要最低限の基準を兼ね備えているか”が重要!
気に入った物件に出会えたなら、エアコンについては、前述の3ポイントを確認する事をお忘れなく!

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