美容室にとって「コンクリート風モルタル床」は、適しているのか?

美容師さんが自分の店舗を設計する際に、「コンクリート打ちっぱなし風のモルタル床」にしたいという希望をよく聞きます。
10年以上前から常に要望は多く、普遍的人気の仕上げなのでしょう。

さて、この「モルタル床」は、美容室にとってよいものなのでしょうか?

モルタル床から受ける印象は主に「都会的、アクティブ、斬新、洗練、カッコよい」といったイメージ。デザイン性の観点から言えば確かに人気の仕上法といえる素材の一つ。
しかし、コレに関しては見栄えより実際の仕事面での視点で判断してみましょう。

美容師さんで腰を痛めている人はかなり多いですよね。だって忙しくなれば、1日中ほぼ、立ちっぱなしの仕事なのだから仕方がない。
モルタル(コンクリート)といえば、当然カッチカチに固い床…とにかく腰への負担が大きい。
確かにお客様に与えるイメージは訴求力があるモルタル床ですが、反面、運営者であるオーナーやスタッフの腰を害してゆくものでもあります。
自分の美容室であれば、年間のうち大半をその状況に身をおくことになるわけだから、腰を犠牲にしながら仕事をしてゆくようなもの。
その基準で考えると、やっぱりモルタル床はオススメできないのです。

もう一つ、モルタル床のデメリットをお伝えしておきましょう。
そもそも、「ビルのコンクリート打ちっぱなし」というのは建設物、すなわちビルそのものの骨組、土台を覆っているもの。
建設物で使われているコンクリートは構造そのものを担っているわけで、当然頑丈であり、強度、粘りなど、しっかりした材料で作られています。
よく道路で生コンクリート車なるものを見かけることがあると思います。タンクみたいなのがグリグリと回転しているあれです。
あれは材料が固まらないように常に回転させて頻度を保ちつつ建設現場に運ばれていく。
一方「モルタル床」というのは、いわゆる「打ちっぱなし風」を再現したものにすぎないのです。
セメントを水で溶かして、左官職人が内外装の仕上げなどのように幾重にも塗り重ねながら平らにならしてゆく。
したがってコンクリートと、モルタルは、そもそもの質が異なり、似て非なるものということ。
材料そのものの仕込み方が根底から異なるゆえに、モルタル床というのは時間の経過とともにヒビ割れは宿命といえます。
そんなヒビ割れを「味」と捉える考え方もありますが、美容室床の場合は、ヒビの割れ目に髪の毛が詰まったり、椅子を移動させる度に床に傷がつき、モルタルが粉塵となって店の掃除に苦労することも。

こと、モルタル床に関しては、比較的に外見のイメージ重視で選ぶ美容師さんがほとんどです。
けれども、こうした耐久性、利便性、機能性という観点からみると、どうですかね?
モルタル床にするか否か、今一度慎重に考えたほうがよいと思いませんか?

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