店舗デザイン、店舗設計の違いとは?

店舗開業の際に「店舗デザイン」「店舗設計」のプロセスを体験することになりますが、この2つの違いは、何だと思いますか?
「デザイン」と「設計」の違いは、美容師の業務プロセスで例えるならば、以下のような感じでしょうか。

お客様が「私を都会的なデキる女に!今より洗練させて欲しい!」と依頼してきたとしましょう。
経験豊富なあなたは、そのニュアンスをキャッチし、どのような施術をすればそのお客様の要望を叶えられるか、具体的な施術プロセスを考えます。
自分ですべて作業する場合は、感覚的に行うかもしれませんが、後輩や従業員に施術させる場合は、かなり具体的かつ的確な指示を出さなければならないはず。
例えば、最初にまずシャンプー…3センチのみカット…ここで薬液Aを使う…再び異なる方法のカットを施す…などなど。
自分以外の別人(従業員)への指示は至って緻密であり細かい伝達となるはず。
ここでいう最初にお客から依頼を受けた段階の「できる女風に」というのが「デザイン」
そして、従業員に指示した具体的な実現法が「設計」

店舗を作る場合を同様に考えてみると、例えば「北欧の古都の佇まいを感じさせるカフェ風のお店」=「デザイン」
そして、その北欧の古都を表現する具体的手段としての具体的な選定=「設計」
例えば「古いレンガ風のタイル」「石畳風の床材」「アンティーク風の古びた木材のフローリング」「ビンテージ仕様のソファ」などなど。

「デザイン」というのは、あくまでも方向性であり、デザインだけでは当然、正確な積算(見積)はできません。
なぜならば、何を何個必要か?いくらの物品をどれぐらい必要とするのか?これらが一切定められていない状態であり、あくまでも、曖昧な目標地点の設定であり、非常に抽象的。

「設計」というのは、とにかく数値化する作業です。
幅120センチ奥行き60センチのテーブルをタモという木材で1台作る…ステンレス製のBOX状の看板を作り内部にLEDを仕込む、とか…
1㎡あたり5千円のどこどこ建材メーカーのレンガ風タイルを30㎡分で15万円也…1本あたり3万円の木柱を10本で30万円也、とか…
こうしたデザインを実現させるため指定の建材の数値化作業が正確な積算の橋渡しとなります。

曖昧だった「デザイン」を現実的な実現ベースに変換させるための中継作業が「設計」なのです。
店舗開業をする上で、開業者自身がこの2つの仕事の違いを理解していないと、勘違いやトラブルの原因となることが少なくありません。
「店舗デザイン」と「店舗設計」は似て非なるもの。仕事としては表裏一体のセットですが、実際はまるっきり異なる仕事と知っておきましょう。

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